自分ではそんなつもりはないのに、なぜかお客さまを怒らせてしまうことがあります。お客さま対応で気をつける言葉とかありますか?
日常生活で使っている何気ない言葉でお客さまが怒ってしまうこともありますよ。コールセンターでは使ってはいけない言葉を紹介しますね。
お客さまに丁寧に対応しているつもりでも、口癖でつい使ってしまう言葉ってありますよね。
あなたにはそのつもりはなくても、ちょっとした言葉遣いでクレームに発展することも少なくありません。
この記事では「つい口にしがちだけどお客さまに使ってはいけない言葉」をまとめました。
これらに気をつけて対応すれば、今よりスムーズにお客さまとの会話ができるようになりますよ。
✔この記事の信頼性
敬語を使いましょう
あたりまえですが、お客さまは友達ではありませんので敬語を使用しましょう。
親しみやすさを表現するためによかれと持ってフランクな言葉をお客さまに使っているオペレーターをたまに見かけますが、これはとても危険です。
いままで和やかに話していたと思ったら、急に「なんだその言葉遣いは!」とご立腹されてしまうことがあります。
フランクな言葉を使うと、ちょっとした掛け違いが起こったときに言葉遣いが沸点になりかねません。
わざわざ危険な橋を渡る必要はありませんよね。
フランクな言葉を使われてご立腹されるお客さまはいても、敬語を使われて怒るお客さまはいませんよね?
NGワード① すいません
日常生活で使用頻度の高い「すいません」は、意識をしないとつい口に出てしまう言葉ですが、電話応対においてはふさわしくありません。
カジュアルな言い回しのためお客さまに謝罪の気持ちが伝わりません。
お客さまによっては軽く見られていると感じる方もいるでしょう。
「すいません」のほか、「ごめんなさい」も同様です。
お客さまに伝えするときは「申し訳ございません」「恐れ入ります」などに言い換えましょう。
言い換えワード例
「申し訳ございません」
「恐れ入りますが」
「失礼ですが」
NGワード② ちょっと
× 確認いたしますので、ちょっと待っていただけますか
「すいません」「ごめんなさい」と同様につい口に出てしまう言葉ですが、「ちょっと」は敬語ではないため、ビジネスシーンでは正しくありません。
「ちょっと」は「少々」に言い換えましょう。
言い換えワード例
「少々」
「今しばらく」
同様によく言いがちな「じゃあ」もNGです。「では」「それでは」に言い換えましょう 。
NGワード③ はいはい
お客さまが一方的にお話しされているときの相槌として使用しがちな言葉です。
子供の頃「“はい”は1回まで!」と大人に怒られた経験はありませんか?
電話対応でも同じです。
「はい」と「はいはい」では雲泥の差があります。
「はいはい」は馬鹿にされた、軽く見られた、あしらわれた、といった印象を与えてしまいます。
同様に「うんうん」もNGです。
言い換えワード例
「はい」
「さようでございますか」
「おっしゃる通りです」
正しい言い回しを使いましょう
問題がないように聞こえる、または丁寧に聞こえる言葉も実は誤っている場合があります。
よくある間違った言い回しを解説します。
NGワード④ もしもし
「もしもし」は「申します、申します」が由来となっており「これからわたしが話し(申し)始めます」という意味を表していたものが省略され「もしもし」に変化したと言われています。
略語のためビジネスシーンではふさわしくないとされ、わたしが経験したすべてのコールセンターでも使用禁止とされています。
× もしもし、わたくしのお声届いておりますでしょうか
相手からの応答がないときにこのように使ってしまいたくなりますよね。
このような場合はお名前を呼んで言い換えましょう。
○ 田中さま、わたくしのお声届いておりますでしょうか
○ お客さま、わたくしのお声届いておりますでしょうか
NGワード⑤ 頂戴できますか
お客さま情報を聴取する際に使いがちな言葉です。
丁寧に聞こえますが「お名前頂戴できますか」「ご住所頂戴できますか」はNGワードです。
名前や住所は「もらう」ものではありません。
一般的に「頂戴できますか」はモノに対して使用する言葉です。
「お名前頂戴できますか」とお客さまに質問し「なんであなたに名前をあげなきゃいけないの?」とクレームになったケースもありました。
お客さまのお名前を確認する場合は「お名前をお伺いできますでしょうか」に言い換えましょう。
また、名前を聞いても苗字しか教えていただけない場合もありますので、はじめから「お名前をフルネームでお伺いできますでしょうか」と伺うとお互いにストレスが軽減されます。
言い換えワード例
「お名前をフルネームでお伺いできますでしょうか」
「お名前をフルネームで教えていただけますか」
NGワード⑥ お回しします
電話を異なる部署に転送する際に「お電話をお回しします」と使用しがちです。
「お回しします」は「問題のたらい回し」や「責任転嫁」を連想させ、お客さまに与える印象が非常に悪いです。
お伝えする際は「お電話おつなぎいたします」などに言い換えましょう。
言い換えワード例
「お電話おつなぎいたします」
「お電話転送させていただきます」
NGワード⑦ 了解しました
「了解しました」は物事を理解したとき、分かったことを伝える場合に使う言葉です。
「了解した」の丁寧語が「了解しました」ですが、謙譲語、尊敬語ではありません。
謙譲語である「いたす」を結び付け「了解いたしました」とすると、さらに丁寧な表現になりますが、「了解」は目下の人や同僚に使う言葉であり、お客さま対応の電話応対ではふさわしくありません。
「承知しました」は「分かった」「了解した」の謙譲語なので、お客さま対応の際は「承知しました」を使用しましょう。
言い換えワード例
「承知いたしました」
「かしこまりました」
命令形ではなく疑問形で質問しましょう
NGワード⑧ ○○ください
お客さまに質問や依頼をする際「~を教えてください」「少々お待ちください」と質問していませんか?
「ください」は動詞「くださる」の命令形になります。
お客さまによっては気になさらない方もいるとは思いますが、質問や依頼をする際は疑問形で行うのが基本です。
「お待ちくださいませ」は命令形を丁寧に伝えているだけですよ
例えば、電話をとった途端、お客さまは名乗らずに苦情を話しはじめたとします。
その際に、お客さまを特定しようと以下の質問をします。
× お客さま、お名前を教えてください
命令形では「名前を言わないのなら苦情は受付けない」という姿勢とも受け止められます。
○ お客さま、恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか
お客さまは匿名で話しをされたいのかもしれません。
疑問形での質問であれば名前を名乗る、名乗らないの選択をお客さまにゆだねる姿勢が見えます。
ほかにも、保留を取る際は「確認しますので少々お待ちださい」では「待て」との命令形になってしまいます。
「確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」とお客さまに了承をいただくことが重要です。
言い換えワード例
「~いただけますか」
「~よろしいでしょうか」
否定しない言葉を使いましょう
NGワード⑨ ○○ません
お客さまに質問する際は、否定形ではなく肯定表現で質問をしましょう。
× 7日を過ぎますと、受付できません
○ 7日までにお送りいただければ、受付できます
お客さまに伝えたいことは同じでも、肯定表現で伝えたほうが柔らかい印象になると思いませんか?
お断りしなければならない事も、肯定表現を使うことでお客さまに受け入れてもらいやすくなります。
言い換えワード例
わかりません → わかりかねます
できません → いたしかねます
田中は17時まで戻りません → 田中は17時に戻ります
「できません」は「できかねます」ではダメですか?
「できかねます」は断定的で強い表現になるので、お客さま対応においては「いたしかねます」の方が良いですね。
NGワード⑩ ですから
お客さまになかなか理解していただけない時、につい語気を強めて「ですから!」と言ってしまいがちです。
お客さまは否定されたと感じ、ますます感情的になってしまいます。
「ですから」や「ですので」は平たく言うと「だから」であり、そのあとの「ですから(何度も説明してますよね?) 」「ですから(何回言わせるんですか?)」という気持ちが入った言葉です。
「だから(分かってよ!)」とお客さまをねじ伏せようとする姿勢です。
その気持ちはお客さまに伝わり、いくら説明を繰り返しても理解はしてもらえないでしょう。
○ 申し訳ございません、繰り返しのご回答になりますが…
○ 同じご案内となり恐縮ですが…
このように、 お客さまの理解をいただけるようなフレーズを使いましょう。
さいごに
ちょっとした心配りを言葉遣いにちりばめていくことで、応対が柔らかく、印象が良くなります。
適切な言葉を使い、お客さまと円滑なコミュニケーションが図れれば、あなたのストレスも軽減されるでしょう。
ぜひ日頃より意識してみてください。
-
参考コールセンターをやめたいあなたへ伝えたいひとつのこと
続きを見る
スポンサーリンク