クレーム対応するのがストレスで、会社に行くのがつらいです。クレーム対応のコツはありますか?
お客さま対応おつかれさまです。この記事で紹介している心構えで対応すれば、クレーム対応も怖くないですよ。
わたしは18年間のコールセンター勤務のなかでこの心構えのもとにクレーム対応に望み、最終的にはお客さまにお褒めの言葉をいただくことも多くありました。
なかには一方的に理不尽なクレームをおっしゃる方もいますが、たいていのお客さまはきちんと話しを聴くことでご納得いただけます。
わたしのこれまでの経験から、クレーム対応における対処法をまとめました。
実践すると、いまよりクレーム対応がきっと楽になりますよ。
よければぜひ参考にしてください。
✔この記事の信頼性
クレーム対応の流れ
クレーム対応の流れは以下になります。
ひとつずつ解説していきます。
- 話しをさえぎらずに聴く
- 状況についてお詫びをする
- 共感の姿勢をしめす
- 解決に向けてさらに聴取する
- 回答を伝える
- 最後に再度お詫びしお礼を伝える
① お客さまの話しをさえぎらずに聴く
ここでは便宜上「クレーム」という言葉を使っていますが、お客さまは「自分はクレームを言うぞ!」と思って お電話かけているわけではありません。
ご自身が正しいと思っていることについて、とにかく話しを聞いて欲しいと思って電話をかけています。
お客さまによって表現方法はさまざまなので、なかには初めから暴言を吐くお客さまもいらっしゃるかもしれません。
しかしクレームのうらには「この問題を解決して欲しい」「聞いてほしい」という気持ちがあります。
「またクレームだ」「このお客さんはクレーマーだ」などの先入観をもたず、まずは自分の感情は置いておいて、お客さまの話しをきちんと聴くことが大事です。
途中で話しをさえぎってしまうと「ちゃんと最後まで聞いてよ!」とさらにお客さまを怒らせてしまいますよ。
また、その際には肯定的な関心を持ちながら話しを聴きましょう。
話しの内容を先読みしない
人は会話において、相手の会話の内容を参考にその後の会話の内容を予想することができます。
日々たくさんの電話対応をしていると、同じような案件を受けある程度これからお客さまのおっしゃることが予測できることもあると思います。
そのため話を先読みし、途中で適って話を進めようとすると「そんな話じゃない」とさらにお客さまを怒らせかねません。
たとえあなたにとっては何度も受けた内容であっても、お客さまはそうではありません。
早く電話を切り上げようと会話を予測して先回りして回答を急ぐと、もともとクレームではなかった内容も、クレームに発展しかねません。
じっくりと最後まで話を聞いた後、対応することがお客さま対応では重要であるとことを認識しましょう。
こちらも参考に
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② 状況についてお詫びをする
お客さまが話しを終えられたら、 まずはお客さまにご不快な思いをお掛けしてことに対しお詫びをしましょう。
会社側に非がないかもしれない時点では謝りたくないな。
「理由」+「謝罪」でお詫びすれば問題ないですよ。
単に「申し訳ございません」とお詫びをすることで、会社側に非がないにも関わらず認めたことになる恐れがあるときは、何についての謝罪なのかの理由を添えてお詫びをしましょう。
理由+謝罪の例
「ご不快な思いをおかけし、申し訳ございません」
「ご不便をおかけし、申し訳ございません」
「ご期待に添えることができず、申し訳ございませんでした」
会社に対するクレームに対して「わたしが悪いわけじゃないのに、なんで謝らなきゃいけないの」と思う方もいるかもしれません。
しかしコールセンターで電話対応をしているということは、会社の代表として話しをしていることになります。
お客さまがご不快な思いをされているという事実に対して、会社の代表として誠意をもってきちんとお詫びしましょう。
③ お客さまに共感の姿勢をしめす
お客さまが話しを終えられたら、お客さまの気持ちを察し共感の姿勢を示しましょう。
ここでいう「共感」は「同調」ではありません。
「共感」と「同調」ってどう違うの?
相手の気持ちを想像して寄り添うのが「共感」、お客さまの言葉に賛同してしまうのが「同調」です。
「共感」とは、必ずしも自分は同じように感じていなくても「お客さまが○○と感じていることは理解しました」と伝えることです。
共感をしめす言葉には以下があります。
共感の言葉の例
「それはお困りでしたね」
「それはご心配ですね」
「おっしゃる通りです」
「ご指摘ごもっともでございます」
「同調」とはお客さまの意見に賛同することです。同調を繰り返すと「さっきあなた、そうですねって言ったわよね?」と誤った方向性に話しが進んでしまう場合があります。
あくまでもオペレーターとして、お客さまの意見に「同調」するのではなく「共感」することで寄り添う姿勢をしめしましょう。
適度に相槌を打つ
お客さまが一方的にお話しをされているときも、適度に相槌を打ちましょう。
相槌はお客さまに「きちんと話しを聞いてくれている」という安心感を与え、会話にリズムが生まれます。
相槌を打つ際は同じフレーズばかりではなく「はい」「さようでございますか」「かしこまりました」等のバリエーションをつけると、よりお客さまへの傾聴の姿勢が伝わります。
お客さまのトーンにあわせて相槌に抑揚をつけることも大切です。
相槌の例
「さようでございますか」
「かしこまりました」
「おっしゃるとおりです」
④ 解決に向けてさらに聴取する
お客さまの状況にお詫びし、共感をしめしあなたを信頼してもらえたら、 何か誤解や手違いがないか等、問題解決に向けより詳しい状況を聴取していきます。
お客さまが直接何が問題であるか口にされない場合は、表面的な言葉のうらにお客さまの真のお問合せや要望を読み解くことが重要です。
お客さまを否定せずに状況を聴取する
聴取の際、自分の感情が先走り「それは違います」などお客さまの申し出を否定してしまうと、お客さまはどんどんヒートアップしていきます。
お客さまの申し出が誤っていると決めつけず、肯定的な気持ちで聴取をしましょう。
「ですから」「しかし」などの反論の言葉の使用は厳禁です。
声に表情は現れます。
電話口からも、あなたの誠意はきちんと伝わります。
あなたの心に誠意がなければお客さまにはすぐに見透かされてしまいます。
質問は肯定形でおこなう
何かを質問したいときは「○○はされなかったのですか?」の否定形ではなく「○○はされましたか?」との肯定形で質問しましょう。
×否定形での質問 「商品が届いた際に確認いただけなかったのですか?」
○肯定形での質問 「商品が届いた際に確認いただけましたか?」
上記の質問では相手に与える印象がまるで異なります。
否定形の質問ではお客さまはとがめられているような気持ちになりますよね。
クッション言葉を使用する
お客さまに質問や依頼をする場合は、クッション言葉を積極的に使用しましょう。
クッション言葉を使用することで、お客さまに寄り添いの姿勢が伝わり印象も柔らかくなります。
「お金は返してもらえるの?」
×クッション言葉なし「ご返金は出来かねます」
○クッション言葉あり 「大変申し訳ございませんが、ご返金は出来かねます」
どちらがお客さまに理解してもらいやすいか、一目瞭然ですよね。
使用するときは棒読みではなく、きちんと気持ちを込めて抑場を付けてお伝えすることも大事です。
クッション言葉の例
「恐れ入りますが」
「大変お手数ですが」
「失礼ですが」
「申し上げにくいのですが」
余計なこと、あいまいな事を言わない
クレームを申し出されるお客さまは、自分の希望する対応、回答を求めて電話をかけてきます。
しかし現実には出来ることと出来ないことがあります。
お客さまに期待をさせるようなあいまいな案内は避けましょう。誤解されないよう、出来ないことははっきりとクッション言葉を使って伝えましょう。
「あなたもそう思いますよね?」とお客さまから個人的な意見を求められることがあります。
心のなかではお客さまの指摘通りだな、と思っても、会社の代表として対応している場で「個人的にはたしかにそう思います」などと述べる必要はありません。
「恐れ入りますが、個人的な意見は申し上げられません」等、やんわりかわしましょう。
⑤ 回答を伝える
お客さまの状況を理解し対応方法を確認できたら、解決策を提示します。
必ずしもお客さまの期待する解決策を提示できるとは限りません。ゼロ回答となる場合もあるでしょう。
しかしその場合でも「○○については出来かねますが、頂いたご意見は今後の運営の参考とさせていただきます。」など、お客さまから頂いた意見や、費やした時間は決してムダではないと納得していただくことが重要です。
⑥ 最後に再度お詫びしお礼を伝える
対応の最後には再度お客さまにお詫びし、お礼を伝えましょう。
「最後になりますが、この度はご不快な思いをお掛けし申し訳ございませんでした。お忙しいなか、貴重なご意見を頂きありがとうございました。」
こちらの誠意がきちんと伝われば「さっきはひどい事言って申し訳ない」「○○さんに対応してもらって良かった」とおっしゃっていただけることもあります。
さらにお客さまとの関係性が出来上がった場合 「○○さんがそう案内しなければいけない立場も分かるよ、でも意見を聞いて欲しかったんだ」と 会社の代表として話しをしているオベレーターの立場を理解してくれる方もいます。
お客さまに真摯に向き合い、お客さまに気持ちよく電話を切っていただけるような対応を目指しましょう。
さいごに
クレームに関わらず、お客さま対応にはスキルやテクニックも必要ですが、それよりも一番大事なのは「お客さまに寄り添う気持ち」です。
うまく案内が出来なくても、 真撃に傾聴する姿勢があれば気持ちは必ず伝わり、お客さまは応えてくれます。
常に「お客さまの気持ちに寄り添い傾聴する」マインドを持って対応することを心掛けましょう。
そしてあなた自身が少しでも健やかな毎日を送れますように!
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